日本医師会 赤ひげ大賞

受賞者

第8回 赤ひげ大賞受賞者紹介

被災地の患者を支え、地域の復興と医療の再生に力を注ぐ

木澤 健一
(岩手県/木沢医院 院長)
木澤 健一

地域唯一の診療所を開設し、昭和38年から56年間にわたって地域住民の健康管理に貢献。地域の学校医としても64年間、現在に至るまで児童生徒の健康管理に多大な尽力をしている。東日本大震災では自宅、診療所も津波にのみ込まれ、診療所1階の天井まで浸水する大規模半壊の被害に遭うものの、2階部分を活用し診療を続けるなど、寸暇を惜しんで患者の診療に当たった。現在も、地域の人々に寄り添い、地域の復興と医療の再生に力を注いでいる。

認知症高齢者を地域で支えるシステムづくりに尽力

内田 好司
(群馬県/内田病院 顧問)
内田 好司

将来の高齢化を見据え、地域で医療・介護を一体的に対応できる医療機関づくりを目指し、昭和63年に内田病院と県内初の認知症専門棟を有する老人保健施設を開設した。身体抑制廃止を宣言し、縛らない医療・看護を実践。全国への普及活動にも力を入れている。また、認知症高齢者の行方不明事故を未然に防止し、地域で見守るシステムとして「沼田市認知症にやさしい地域づくりネットワーク」を設立するなど、官民一体連携の全国的な先進事例をつくった。

患者家族に寄り添い、きめ細やかな医療を提供

湯川 喜美
(鳥取県/湯川医院 院長)
湯川 喜美

「病気を見る医者より、病人を診る医者になれ」を座右の銘とし、患者の訴えに耳を傾ける姿勢を貫き、開業医として地域医療の最前線で活動している。女性医師が少ない時代には心無いことを言う患者もいる中で、女性であることの特性を活かし、患者へきめ細やかな愛情を注いだ。高齢の患者も多く、在宅・往診に加えて看取りなどにも携わっている。今でも、積雪の多い冬季には自身の運転で患者宅まで駆けつけるなど、患者家族に寄り添いながら診療を続けている。

24時間365日、離島の医療を守る「かかりつけ医」

釈舎 龍三
(広島県/ときや内科 理事長)
釈舎 龍三

28年間、瀬戸内地域の島民の「かかりつけ医」として、24時間365日診療を続けている。最期は島で迎えたいとの島民の要望に応えて在宅診療にも取り組む傍ら、多職種との勉強会の他、在宅で最期を看取った患者家族も参加する町民向けシンポジウムも頻繁に開催。離島の医療は天候に影響され、救急医療は極めて困難を要するが、昼夜問わず救急患者を受け入れられるように医療機器を率先して導入するなど、その体制整備にも尽力している。

長年にわたり地域住民に寄り添う98歳の赤ひげ先生

古江 増蔵
(鹿児島県/医療法人・社会福祉法人桃蹊会 理事長)
古江 増蔵

70年あまりにわたり、医療・福祉の充実を目指して献身的に患者に寄り添った地域医療を実践し、地域に密着した「かかりつけ医」として98歳の今でも現役で活躍している。95歳までは自ら車を運転し、訪問診療も行ってきた。また、65年もの間、学校医として児童生徒の健康増進・疾病予防に精力的に取り組むとともに、医療と福祉のスムーズな連携の必要性から、障害者支援施設や特別養護老人ホーム等を開設し、地域住民や家族に大きな安心感と喜びをもたらしている。

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