日本医師会 赤ひげ大賞

受賞者

第13回 赤ひげ大賞受賞者紹介

保健・医療・福祉の一体化施設と多職種連携で住民と共に

中村 伸一
(福井県/おおい町国民健康保険 名田庄診療所 所長)
中村 伸一

人口約2000人の地区唯一の診療所で30年以上勤務を続けている。1991年に診療所、村役場住民福祉課、社会福祉協議会の全職員からなる「健康と福祉を考える会」を結成し、多職種による訪問調整・事例検討会、在宅ケア講座、ボランティアグループ結成など、保健・医療・福祉の連携を実現。住民と共に活動することを目指し、国保診療所と国保総合保健施設が一体化した「あっとほ~むいきいき館」の創設にも尽力した。地域医療研修の研修医を受け入れ、後進の育成にも熱心に取り組む。

医療・介護の情報ネットワーク構築で手厚い在宅療養支援

早川 富博
(愛知県/愛知県厚生農業協同組合連合会 足助病院 名誉院長)
早川 富博

1996年に赴任し、訪問診療にも従事。過疎地の在宅療養者を見守るべく、画像・音声・生体情報の双方向通信が可能なシステムを開発した他、電子カルテを導入するなど、医療・介護の情報ネットワークの構築に努めてきた。住民健診にも30年近く従事し、健康啓発活動を行うとともに、2010年には「三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会」を設立して地域住民、保健・医療・福祉・介護サービス事業者、行政、各種団体等と連携した活動を展開している。

在宅医療体制の充実、多世代交流の拠点で「まちづくり」

中村 正廣
(大阪府/中村クリニック 理事長)
中村 正廣

かかりつけ医を志して開業し、クリニックの上に住まいを設けて約30年、時間外も患者に対応してきた。患者が最期まで住み慣れた街で過ごせるよう、地区医師会を通じて在宅医療の体制充実に注力。多職種連携、災害時の在宅医療体制の構築にも大きな役割を果たした。在宅医療の最終段階は「まちづくり」であるとして、地元商店街の中に高齢者や児童など多世代が交流する場である「新道パトリ」を私財を投じて開設、今では医療・介護・地域・各種団体との連携基盤となっている。

予防医療の推進、ドクターカー運用、地域の健康寿命を延伸

高垣 有作
(和歌山県/国保すさみ病院 顧問)
高垣 有作

2055年の日本の高齢化率予測に既に達しているすさみ町において、限られた医療資源を効率的に活用するため、広報や講演などを通じて地道な啓発活動を行い、多かった休日・時間外の不要不急の受診を60%まで減少させた。2009年からは医師搬送型の新型ドクターカーの運用を行う一方、予防医療を推進し、臓器別にとらわれない総合診療を実践した他、赤外線センサーを用いて在宅での見守り体制も整備し、18年間で町の健康寿命を延伸させた。

開業約70年、24時間・365日体制で地域の医療と福祉に対応

間部 正子
(熊本県/間部病院 副院長)
間部 正子

1957年に耳鼻咽喉科を開業。周辺に医療機関が少ないため、医師の義父・夫と共に内科や外傷処置、帝王切開手術助手、予防接種、健康指導にも従事し、80床の病院に拡張してからは、増加する診療時間外受診、救急車搬送患者にも24時間・365日体制で対応してきた。また、実習病院として准看護師の育成に携わり、長年、地域の学校医を務めるばかりでなく、特別養護老人ホームやデイサービスセンターを設立するなど、地元の医療・福祉に多大な貢献をしている。

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