日本医師会 赤ひげ大賞

受賞者

第10回 赤ひげ大賞受賞者紹介

自身も被災しながら救護を続け、 現在も復興に尽力

植田 俊郎
(岩手県/植田医院 院長)
植田 俊郎

医療資源の乏しい大槌町で、平成2年より30年以上にわたって地域住民の健康管理に人生を捧げ、町の小中学校の学校医を務めるなど、児童生徒の健康管理にも多大な尽力をしてきた。東日本大震災の際には甚大な被害を受け、4階建ての診療所・自宅も津波に飲み込まれたが、自衛隊に救出されて避難先に到着するなり救護所を開設して医療活動を行い、不眠不休で診療を続けた。現在でも人々に寄り添いながら、地域の復興と医療の再生に努力を続けている。

運命に導かれた地で農村・地域医療にかける

市川 晋一
(秋田県/仙北市西明寺診療所、仙北市桧木内診療所 所長)
市川 晋一

地域で唯一の医師として、診療所における医療の質の向上を目指してきた。「365日24時間地域住民の健康のため」をモットーに、外来・訪問・休日夜間診療にも携わり、緩和ケアや終末期の看取りでは常に駆け付けられる態勢をとっている。また、多職種連携による地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築や、後進の育成にも尽力。仙北市温泉療養研究会会長として入浴事故を研究する傍ら、温泉浴マイスター制度を創設し、地域おこしにも貢献している。

「主人」である患者の要望を最大限に

鋤柄 稔
(埼玉県/シャローム病院 院長)
鋤柄 稔

地域でのホスピスケアを含めた終末期ケアを行うべく医院を開業。文字どおり24時間365日体制で、朝は4時に起床、食事や入浴の最中も電話が掛かってくれば飛び出し、常に患者に寄り添ってきた。24時間対応での往診体制も構築しており、「全ては地域と患者さんのために」を礎に、多職種連携のためのICTツールなども積極的に取り入れている。後進の育成にも努めながら、現在も骨身を惜しまず地域医療に尽力している。

依存症の治療一筋/限度のない愛を患者に注ぐ

大石 雅之
(神奈川県/大石クリニック 院長)
大石 雅之

精神科医として30年以上にわたり、患者の命を守るべく全身全霊で闘っている。全国的にもギャンブルや覚せい剤の依存症の人が多いと言われる地域で、専門外来として平成3年にクリニックを開業。依存症患者の裁判書類の作成、出廷における患者のケアに加え、警察官や刑務所の職員へ病像の講義や説明を行ってきた。その他、刑を終えて出所した患者のケアのため、精神科グループホームや寮を設立し、住居や就職の援助など社会復帰の手助けもしている。

島の歴史とともに歩み、島民の健康第一に

佐藤 立行
(熊本県/佐藤医院 院長)
佐藤 立行

昭和27年より約70年にわたり、地域住民の医療・保健・福祉の向上に努めている。無医地区であった戸馳島(とばせじま)に、「身近なかかりつけ医が診察し、必要に応じて大きな病院を紹介することで島民達は安心できる」と考え、医院を開業。真摯な態度で地域住民の健康増進に尽力し、日曜祭日の当番医としても開業以来従事している。その他、小中学校の学校医として、児童生徒の健康管理並びに学校保健会の活動に携わるなど、学校保健の推進にも貢献している。

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