受賞者
第1回 赤ひげ大賞受賞者紹介
一人の医師体制のなか在宅医療の要として活躍
- 松田 好人
- (北海道/名寄市風連国民健康保険診療所 所長)
- ・平成17年の着任以来、一人の医師体制で外来診療、在宅医療、ケアハウスや老人介護施設の入所者への訪問などを行いながら、特別養護老人ホームの嘱託医や学校保健医として、幅広く活動。
- ・出勤する人のため、毎月1回朝7時からの早朝診療を実施。
- ・平成19年に在宅療養支援診療所の指定を受け、必要があればいつでも往診に駆けつける。積み上げてきた確かな信頼により最後までの関わりを望まれ、これまで在宅25名、施設では年間40名を看取っている。
親子二代で地域医療を支える
- 久藤 眞
- (三重県/久藤内科 理事長)
- ・親子2代にわたり地元に根付いた医療活動を続ける。父は津市空襲の時も疎開せずに診療を続け、戦後も自転車で昼夜往診した。
- ・認知症が強度な患者さんでも昔懐かしい旧制学校の事や軍隊の事、近所の建物などには強烈な印象があり、その人となりを知る契機として最適な話題となるため、普段から津市の古い地図や連隊史などを見て、往診鞄には旧制学校の記章、校歌の歌詞、昔の写真を入れている。
- ・三重県の「血友病友の会」組織化に努め、顧問として指導、救済に尽力した。
医療情報共有システムで“チーム在宅医療”
- 横手 英義
- (和歌山県/横手クリニック 院長)
- ・高齢化の進んだ過疎地域に開業し、個々で活躍する医師をまとめ、地域全体の住民の健康を守るために奮闘。ITを用いた医療情報共有システム"ゆめ病院"の開発に取り組んできた。本システムを地域の中核病院にも導入し、入退院時の病診連携にも利用している。
- ・在宅医療でも、iPadを利用し、複数の医師、複数の訪問介護ステーションによるチーム在宅医療として応用。かかりつけ医の不在時でも、急変した在宅患者にチームの当番医が対応できるシステム"ゆめ在宅医療ネットワーク"を構築する等、地域医療の充実に大きく貢献した。
第2の医師人生を地域医療にささげる
- 鈴木 強
- (広島県/鈴木クリニック 院長)
- ・医師になって以来「50歳になったら田舎で地域医療に携わる」との信念のもと、交通の便の非常に悪い山間過疎地域で開業。
- ・地区唯一の医療機関であり、地区全体の生活に密着したドクターとして高齢化の進んだ地域住民の健康管理に多大な貢献。
- ・冬季に急患が出た時には、40センチ以上の積雪の中を何時間もかけて往診に出かけるなど、過酷な環境の中、診療活動を続ける。
- ・最近は近隣地区の開業医が減少し、重責が増している。
患者住民に寄り添うかかりつけ医
- 中野 俊彦
- (大分県/直耕団吉野診療所 所長)
- ・無医村地区に診療所を開設し、365日24時間、あらゆる年齢層の診療を行い、救急対応や慢性疾患の継続管理にも取り組んでいる。
- ・すべての患者を把握しているため、診察券はあえてつくっていない。
- ・血圧、体重、散歩などを自分で測定して診察時に提出する「自己申告ノート」を普及させるなど、患者住民参加型医療を実践している。
- ・「吉野ほたるを育てる会」の事務局を引き受けたり、農家の合鴨水稲同時作導入を手伝うなど、地域おこしにも尽力している。