日本医師会 赤ひげ大賞

受賞者

第11回 赤ひげ大賞受賞者紹介

地域の小児医療と子育て支援に取り組む

尾﨑 眞理子
(大阪府/尾﨑医院 理事)
尾﨑 眞理子

中小規模の製造業が集積する中核都市で、30年にわたり小児医療に取り組み続けてきた。共働き家庭が多い地域で子育て世帯を支えるべく、平成19年に自己資金で地域子育て支援拠点事業として、主に乳幼児をもつ親とその子どもを対象とした「つどいの広場」を、翌年には「病児保育室ウルル」を開設。赤字が続く中、尾﨑医院がその運営を支え続け、開設以来14年間で12,000人以上の子ども達を預かっている。今後も子育て支援に真摯(しんし)に取り組む姿勢を示している。

認知症の市民を、医療と行政へつなぐ架け橋に

石島 正嗣
(兵庫県/青心会メンタルクリニック、医療法人社団青心会 前理事長)
市川 晋一

昭和53年の開業以来、精神科医療が手薄な地域で精神保健分野を支えてきた。認知症や独居老人が社会問題化する前から着目し、平成4年に認知症電話相談事業を創設。24年間1人で市民の相談に応じ、適切な医療の提供や行政につなぐ大きな役割を果たしてきた。更に自らケアマネジャーの資格を取得した他、社会福祉施設の嘱託医や小中学校精神科コンサルタントを長きにわたり務めた。心や精神について正しい知識をもってもらうための講演活動なども続けている。

農山村で地域医療と、子ども達の健康増進に献身

桜井 えつ
(徳島県/住友医院 副院長)
鋤柄 稔

40年の長きにわたり、地域のかかりつけ医として昼夜を問わず、町内外の住民の医療及び疾病予防に献身的に取り組み続けてきた。農山村地域の特性のため、山奥などへの訪問診療もこなしている。また長年、小学校の校医や幼稚園の園医として、子ども達の健康増進に努めるだけでなく、学校保健の普及向上に貢献してきた。更に通常の医療活動の傍ら、女性医師が働きやすい環境整備や性差を考慮した女性医療の推進を目指して積極的に活躍している。

在宅医療や認知症予防でも人々を支える

藤野 孝雄
(大分県/藤野循環器科内科医院 理事長・院長)
大石 雅之

平成5年に継承開業以来、少子高齢化が進む地域で、患者に寄り添う医療を続けている。夜間当番医には積極的に参加し、多職種と連携した在宅医療にも取り組んでいる。「臼杵市糖尿病ネットワーク」を発足させ、市内における腎症からの新規透析導入は減少している。また、「臼杵市の認知症を考える会」を設立し、医師会、行政、大分大学神経内科と共同で認知症の啓発・早期発見・予防活動を続けており、科学的エビデンスを有する発症予防プログラムの開発につながった。

患者に寄り添い、健康教育にも尽力

大久保 直義
(鹿児島県/希望ヶ丘病院 理事長)
佐藤 立行

昭和45年の開業以来52年の長きにわたり、医療・介護・福祉の分野で患者に寄り添い、地域医療に貢献してきた。住み慣れた地域でその人らしい暮らしができるよう老健施設やグループホーム等を開設。講演会などを通じて、地域の健康教育にも力を入れてきた。学校医として学校保健活動に尽力した他、病院には専門の小児発達外来を設け、行政とも連携を図ってきた。昭和の生活道具や昆虫標本などを展示した「重富民俗資料館」も開設し、市民の交流の場を提供している。

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