日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第2回

祝辞
内閣総理大臣 安倍 晋三

本日、栄えある「日本医師会 赤ひげ大賞」を受賞された皆様、誠におめでとうございます。また、支えてこられた家族の皆様にも感謝申し上げます。

受賞者の皆様は、それぞれの地域において、長年にわたり献身的に医療活動に従事して来られた「地域になくてはならない存在」であると、うかがっております。

今、地域医療に求められているのは、単に病気を治すだけではなく、地域の皆さんが健康面で安心して暮らせるよう、何でも相談できる「かかりつけ医」の存在であると思います。

今回、受賞された方々の中には、過疎地や離島で24時間、身を粉にして住民の健康を守ってきた方、組織を超えた専門家のネットワークを確立した方、チーム医療の先頭に立って病院を牽引(けんいん)されている方もいらっしゃると聞いております。

「地域医療を守ろう」という皆さんの崇高な使命感と行動力は、まさに現代の赤ひげ先生であると思います。

わが国は、医療界の皆さんの多大な貢献もあり、国民皆保険制度の下で他国に例を見ない長寿大国を確立して参りました。

こうした日本の財産というべき「医療」をさらに発展させるべく、政府は現在、医療を成長戦略の大きな柱として位置付けてもおります。

最新の医療技術や医療機器の開発など最先端の医療を目指すことも重要ですが、何よりも国民のそばに寄り添う皆様のような「かかりつけ医」の存在を抜きにしては日本の医療は成り立ち得ません。

わが国は、これからさらに高齢化が進みます。国民の医療に対する期待もますます大きくなります。住み慣れた地域で自宅で暮らし続けたいと願う人たちにとって、地域で活躍する「かかりつけ医」の存在は更に重要なものとなっていくことでしょう。

皆様の受賞は、全国で日夜黙々と地域医療に携わる医師の方々の励みとなることだと思います。

政府としては、地域医療をさらに充実させていくべく、努力してまいります。そうした意味においても、地域に密着して住民の健康を支える医師を顕彰する「赤ひげ大賞」の意義はとても大きなものがあります。「赤ひげ大賞」がますます発展せんことをお祈り申し上げます。

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