「赤ひげ大賞」ならびに「赤ひげ功労賞」を受賞された皆様、誠におめでとうございます。
今年は5名の先生方を「赤ひげ大賞」に、14名の先生方を「赤ひげ功労賞」に決定いたしました。いずれの受賞者も地域に深く根ざし、住民の健康な生活を支えてこられた方ばかりで、まさに「現代の赤ひげ先生」の名前にふさわしいご活躍をされています。
平成24年に創設された「赤ひげ大賞」は、今年で13回目を迎えました。地域住民のかかりつけ医として日々奮闘されている皆様に、心から敬意を表します。また、その活動を支えてこられたご家族の皆様にもお祝いを申し上げます。
わが国では「2025年問題」という言葉が多くの業界で聞かれますが、医療の分野も例外ではありません。超高齢社会が進み、医療や介護を必要とする層が加速度的に増える一方で、それを担う医療従事者、介護従事者の不足はますます顕著になっています。人手の問題にとどまらず、医療費や介護費の増大、社会保障制度の持続可能性の確保なども社会的な課題として突きつけられています。
患者から求められる医療の内容も多様化しています。病院で病(やまい)を治すことはもちろん、健康に暮らし、その人らしく生きていける時間をいかに長くできるかは、人生100年時代における医療の命題ともいえるものです。実際、医師が手がける医療内容は、従来の外来や訪問診療から、病気を未然に防ぐ勉強会、看取り、ときに地域住民の相談にまで広がっています。都市部、山間部を問わず、かかりつけ医による「寄り添う医療」がますます求められています。
今回、赤ひげ大賞、功労賞を受賞されたのは、まさにその最前線で活躍を続けておられる方々です。これまでのご努力に心よりの敬意を表すとともに、日本のより良い医療の実現のため、一層のご尽力をお願い申し上げます。
そして、皆様の高い志は次の世代に引き継がれなければなりません。赤ひげ大賞の選考委員会に医学生が参加しているのは、若い世代に先生方の仕事ぶりに触れてほしいという願いからでもあります。この賞を通じ未来の赤ひげ先生が生まれることを心から願っています。
私ども産経新聞社も、紙面での提言やイベントの開催などを精力的に展開し、日本の医療の充実、さらには国民の長寿と健康的な暮らしの一助となるべく、これまで以上に力を尽くしていく所存です。
結びになりますが、「赤ひげ大賞」開催にあたり、ご協力をいただきました厚生労働省、選考委員をはじめとする関係各位、特別協賛をいただいた太陽生命保険株式会社に、厚く御礼を申し上げます。受賞者の皆様、誠におめでとうございました。