日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第9回

主催者挨拶
日本医師会 会長 中川 俊男

昨年来、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるっておりますが、日本医師会では執行部一丸となって、新型コロナウイルス感染症ばかりでなく、地域医療を守る医療機関の危機的状況への対応などに邁進して参りました。

この新興感染症の登場によって、私達の生活様式及び働き方、学校教育のあり方など、各方面での大きな変化が起こり、我慢を余儀なくされる中で、医療が社会においてどれほど大切なインフラであるのかを、誰もが痛感した1年であったのではないでしょうか。また、各地域において医療提供体制を守っていくことが、いかに重要であるかを感じた方も多かったと思います。

さて、この「日本医師会 赤ひげ大賞」は、地域医療の現場で長年にわたり地域住民に寄り添い地道に尽力されている先生方を「現代の赤ひげ先生」に見立て、その功労を顕彰することを目的として、平成24年に創設したものです。

「赤ひげ大賞」の名称の由来は、山本周五郎の時代小説「赤ひげ診療譚」にあります。黒澤明監督が映画化したことで、一般の方々にも親しまれていますが、この「赤ひげ先生」の実在のモデルは、江戸中期に貧民救済施設である小石川養生所で活躍した小川笙船と言われており、貧しく不幸な人々に寄り添い、身を粉にして働く頼もしい医師というイメージが受賞者にふさわしいと考え、命名しました。

第9回目となる今回は、5名の先生方を「赤ひげ大賞」に、13名の先生方を「赤ひげ功労賞」に決定いたしました。受賞者の皆様、誠におめでとうございます。

残念ながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、第8回目に続いて今回も一堂に会する表彰式を開催することはできませんでしたが、受賞された先生方はいずれも、各地域において献身的に医療活動に従事され、患者さんの信頼も厚い、まさに「現代の赤ひげ先生」としてご活躍されている方々ばかりであります。

全ての人々が安心して暮らせる、かかりつけ医を中心としたまちづくりの実現のため、日本医師会では今後も地域の医師の方々へのバックアップに全力で取り組んで参る所存です。

末筆ではございますが、改めまして、共催の産経新聞社、ご後援の厚生労働省、フジテレビジョン、 BSフジ、特別協賛いただきました太陽生命保険株式会社を始め、本事業の実施にご尽力いただきました方々に、心より御礼申し上げます。

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