本日は、栄えある第6回「日本医師会 赤ひげ大賞」を受賞された5名及び選考委員特別賞を受賞された2名の皆様に対し、心からお祝いを申し上げますとともに、地域医療の現場で、長年にわたり貢献してこられた皆様の活動に、深く敬意を表します。
受賞者の皆様におかれましては、住民が安心して生活を送れるよう、それぞれの地域医療の現場で、地域に寄り添いながら、日夜取り組んでいただいていると伺っています。
新潟県の過疎高齢化が進む豪雪地帯において、40年以上にわたり住民の健康管理に尽力されてきた藤巻幹夫さま、地域唯一の救急告示診療所として、静岡県で長年救急医療に尽力されてきた河井文健さま、岡山県で住み慣れた地域での看取りに力を入れるほか、地域の高齢者の生活支援にも取り組まれてきた塚本眞言さま、生活習慣病予防の重要性を訴え、子どもへの対策に取り組み、その取組を香川県の全県下に根付かせた松原奎一さま、佐賀県の高齢化率が40%を超える山間地域において、かかりつけ医として住民を支えてこられた水上忠弘さま、宮城県南三陸町において、東日本大震災の際には災害医療に尽力され、現在も医療提供環境の整備に取り組まれている鎌田眞人さま、佐藤徹さまと、それぞれの地域で献身的、継続的な活動をされてきたことに、改めて深く敬意を表します。
今、地域医療に求められているのは、単に病気を「治す」ことだけではありません。地域の皆様が健康面で安心して暮らせるよう、多様な人生観、価値観を有する患者の相談に応じ、患者本人だけでなく、ときにはその家族全員のことまで考えに入れて、その方の地域での生活を支える、いわば「治し、支える」医療です。
本日、赤ひげ大賞を受賞された皆様は、まさにそれを現場で実践されている「かかりつけ医」としての理想的な姿を示されていると言えます。
現在、厚生労働省では、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途として、介護が必要な状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
その実現のためにも、「赤ひげ先生」として、地域の第一線で活躍される皆様のお力添えが不可欠です。引き続きのご理解とご協力をお願いします。
最後に、受賞者の皆様が今回のご受賞を契機としてさらに地域においてご活躍されること、また本日お集まりの皆様のますますのご健勝を祈念して、私の挨拶といたします。