日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第3回

祝辞
岩手県医師会会長 石川 育成

栄えある「日本医師会 赤ひげ大賞」を受賞された先生方、誠におめでとうございます。5人の先生方に心より敬意を表します。また、選考委員の皆様にもお礼を申し上げます。

「赤ひげ大賞」は、地域の医療現場で長年にわたり地域住民の健康を支えた医師を顕彰するものです。受賞者の一人である岩田千尋医師が働く岩手県大槌町は、リアス式の三陸海岸の真ん中にある人口1万5千人の小さな町です。岩田医師は、ここで地域医療を守り、住民からも頼りにされてきました。ところが、平成23年3月11日、東日本大震災が発生し、町は大津波によって壊滅的な被害を受けました。当時、岩田医師が院長を務めていた病院は3階建てでしたが、その2階まで津波が押し寄せました。岩田医師は、電気も通らない大変な状況の中で、患者を守り3階に避難させて、その後、病院のスタッフと共に避難所へ移り救護活動を続け、1ヵ月半後には仮設診療所を開設致しました。われわれ岩手県民は、岩田医師の活動に対して大きな誇りをもって推薦しました。

実は岩田医師は、平成24年3月で定年を迎えられたのですが、岩手県の要望と地域住民の希望が強く、現在も、岩手県立大槌病院の院長を務め、地域住民の声に耳を傾けながら、新しい病院の設計などにもたずさわるなど、日々、仕事に邁進(まいしん)しています。このほかの受賞者の皆様方も立派な先生ばかりで、医師の使命感から、大変な苦労を乗り越えてこられた、とうかがっています。こうした尽力に対して衷心より敬意を表します。

受賞された先生方におかれましては、今後ますますのご活躍とご健勝をお祈りしております。

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