日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第3回

主催者挨拶
日本医師会 会長 横倉 義武

「日本医師会 赤ひげ大賞」は、地域医療の現場で長年にわたり地域住民に寄り添い地道に尽力されている「現代の赤ひげ先生」にスポットを当て、その功労を顕彰することを目的として、平成24年に創設したものです。

「赤ひげ大賞」という名称ですが、その由来は山本周五郎(やまもとしゅうごろう)の時代小説「赤ひげ診療譚(しんりょうたん)」にあります。「赤ひげ先生」と言えば、貧しく不幸な人々に寄り添い、身を粉にして働く頼もしい医師というイメージを思い起こす方も多いのではないでしょうか。

医師には、患者さんを前にした時、その方に寄り添い、同じ目線で治療に当たることが求められています。そのためには、私どもが行っている医療というものが、医療提供者である医師を始めとするさまざまな医療関係者の方と、医療をお受けになる患者さんとの信頼関係に基づいた協働作業でなければなりません。

今回、受賞された5名の先生方は、いずれも各地域において、献身的な医療活動を通じて患者さんの治療に携わっている方々であり、まさに「現代の赤ひげ先生」と呼ぶにふさわしいご活躍をされていらっしゃる方々ばかりです。

2025年には、日本の経済成長を牽引してこられた団塊世代の方々が後期高齢者となり、高齢化のピークを迎えます。それまでに残された時間はわずかに10年しかありませんが、その間に、かかりつけ医を中心とした医療と介護が連携する地域ネットワークづくりを進めていくことが、われわれに課せられた使命であると考えています。

また、かかりつけ医には、今後、疾病の早期発見・早期治療、生活習慣の改善による疾病予防ばかりでなく、高齢者の方々が生活を営むための機能の維持等、健康寿命を延ばしていくことも求められており、地域住民の方々に寄り添った形で医療を展開している赤ひげ先生の役割がますます重要になってきます。

日本医師会としましても、「国民の生命と健康を守る専門家集団」として、「必要とする医療が過不足なく受けられる社会づくり」を目指し、さまざまな事業活動や国への働き掛けを行って参る所存でおりますが、本日お集まりの皆様方にも、ぜひ、全国の赤ひげ先生が今後も活躍できるよう、なお一層のご支援・ご協力を賜りますことをお願い申し上げます。本日は誠におめでとうございました。

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