日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第5回

主催者挨拶
日本医師会 会長 横倉 義武

本日ここに、皇太子殿下のご臨席を賜り、多くの皆様のご出席のもと、第5回「日本医師会 赤ひげ大賞」の表彰式を遂行させていただきますことは大変名誉なことであり、心から感謝申し上げます。

「日本医師会 赤ひげ大賞」は、地域医療の現場で長年にわたり地域住民に寄り添い地道に尽力されている先生方を「現代の赤ひげ先生」に見立て、その功労を顕彰することを目的として、平成24年に創設したものです。

「赤ひげ大賞」という名称ですが、その由来は、山本周五郎の時代小説「赤ひげ診療譚(しんりょうたん)」にあります。黒澤明監督が映画化したことでご存知の方もいらっしゃると思われますが、「赤ひげ先生」と言えば、貧しく不幸な人々に寄り添い、身を粉にして働く頼もしい医師というイメージを思い起こす方も多いのではないでしょうか。

今回、受賞された5名の先生方はいずれも各地域において、献身的に医療活動に従事され、患者さんの信頼も厚く、まさに「現代の赤ひげ先生」と呼ぶにふさわしい方々ばかりと言えます。

この「赤ひげ先生」の実在のモデルは、江戸中期に貧民救済施設である小石川養生所(こいしかわようじょうしょ)で活躍した小川笙船(おがわしょうせん)と言われていますが、病に苦しむ人がいれば何としても助けたいというのが医療人の願いであり、医療の本質は当時も今も変わりありません。

一方、わが国では、現在、世界が経験したことのないスピードで超高齢社会を迎えています。その状況に対して、我々がどのように対応していくのか、世界的な注目が集まっていますが、そのカギは、「かかりつけ医」、つまりは身近にいて頼りになり、必要な時には専門の医療機関を紹介してくれる先生方の存在にあると確信しています。

そのため、日本医師会では、国民の皆さんに「かかりつけ医」を持つことを呼び掛けるとともに、昨年4月からは、各地域の先生方のかかりつけ医機能の維持・向上を目指して、「かかりつけ医機能研修制度」をスタートさせました。

今後も、日本医師会は、「国民の生命と健康を守る専門家集団」として、「必要とする医療が過不足なく受けられる社会づくり」を目指し、さまざまな事業活動や国への働き掛けを行って参る所存でおりますが、本日お集まりの皆様方にも、ぜひ、地域住民の方々に寄り添った形で医療を展開している全国の赤ひげ先生がますます活躍できますよう、なお一層のご支援・ご協力を賜りますことをお願い申し上げます。

結びになりますが、改めまして、共催の産経新聞社、後援の厚生労働省、フジテレビジョン、BSフジ、特別協賛であるジャパンワクチン株式会社を始め、本事業の実施にご尽力いただきました方々に、心より御礼申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

受賞者の先生方、本日は誠におめでとうございました。

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