日本医師会 赤ひげ大賞

小冊子

第2回

経過報告
日本医師会 常任理事 石川 広己

大賞受賞者の皆様、おめでとうございます。

第2回「日本医師会 赤ひげ大賞」の選考経過のご報告並びに講評を述べさせていただきます。

選考経過のご報告ですが、第2回「日本医師会 赤ひげ大賞」は、昨年5月7日に日本医師会より都道府県医師会宛て推薦依頼文書をお送りし、31の医師会からご推薦いただきました。

選考会は、8月30日、日本医師会館において行いました。厚生労働省医政局長の原德壽様、昭和館館長/宮内庁参与の羽毛田信吾様、宇宙航空研究開発機構特任参与の向井千秋様、タレントの山田邦子様、作家の小林光恵様、産経新聞社専務取締役の外山衆司様、同じく産経新聞社論説委員の河合雅司様、それに日本医師会役員が加わり、11名で慎重に選考させていただきました。

その結果、ご案内のように、5名の大賞受賞者が決定し、3月19日に公表され、本日の表彰式を迎えることになりました。

ここに、発表に至るまでの選考の概要を報告し、本日受賞されました皆様に心よりお祝いを申し上げるとともに、ご推薦していただきました都道府県医師会、更には、特別協賛いただきましたジャパンワクチン株式会社、ご後援いただいた厚生労働省など、本賞にご支援賜りました多数の方々に感謝を申し上げまして、経過のご報告とさせていただきます。

引き続き、選考の講評を述べさせていただきます。

赤ひげ大賞では、選考対象として、「過疎の医療現場、特に僻へ きち地や辺地、離島などで、住民を支えている医師」「障害をもった方や高齢者が安心して暮らせるような活動を行っている医師」「地域における学校保健活動、公衆衛生活動を通じ、特段に地域住民の健康管理を推進している医師」「医療環境整備や社会活動を通じてまちづくりへ貢献している医師」などを掲げておりましたが、各都道府県医師会よりご推薦をいただきました31名の先生方はすべて、本賞に値する素晴らしい活動を地域で続けてこられた方々ばかりであり、選考には困難を伴いました。

そのような中、特に選考委員の目を引きましたのが、今回受賞されました5名の先生方でありました。

北海道の下田憲先生は、医療資源の乏しい地域で、24時間献身的に医療活動を行い、地域住民の健康を支えていらっしゃいます。

神奈川県の野村良彦先生は、外来診療と、在宅医療を切れ目なく移行できるよう、地域完結型医療を目指し、医療環境整備に努めておられます。

滋賀県の小鳥輝男先生は、地域での多職種連携の主導を担い、常に、患者さんにとって最善の方法を模索しておられます。

兵庫県の大岩香苗先生は、女性医師で外科医という貴重な存在として、高齢化率の高い同町の方々に不安のないよう地道な努力を続けていらっしゃいます。

島根県の白石吉彦先生は、離島における唯一の病院の院長として、離島にいても、本土と同レベルの医療・看護を住民に提供したいと尽力されておられます。

5人の方に共通しているのは、病気だけを診るのではなく、患者さんやそのご家族が暮らしている地域まで診ているということであり、現代の赤ひげ先生の心意気に大変感動いたしました。高齢社会を迎え、往診、在宅医療、看取りなど現場の先生方のご苦労は絶えないこととお察ししますが、受賞された先生方を始め、多くの先生方が、各地域で日本の医療を支えていらっしゃいます。

本赤ひげ大賞が、そのような先生方の励みとなり、第2、第3の赤ひげ先生がそれぞれの地域で地域医療の充実にご尽力いただけることを願っております。ありがとうございました。

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